「働きたくない」という熱い想いだけは誰にも負けない

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ポンコツ社長の話

以前勤めていた会社の社長はポンコツであった。

 

ポンコツの社長はこの世には沢山いるけれど、その中でもトップクラスのポンコツであることは断言できる。

 

 

「こんな社長の下で働いていて大丈夫かな…」

なんて思っている人に「下には下の社長がいる」ということを思って少しホッとしていただけたら幸いである。

 

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 ポンコツ社長のプロフィール

年齢:70過ぎのジジイ(正確にはわからない)

特徴:守銭奴、頑固、負けず嫌い

主な仕事:TVを見る、お気に入りの社員とトンカツを食べに行く、給料の支給(手渡し)、社員を怒鳴る、朝礼の自画自賛、お中元を選ぶ 等  

 

 

お客さんと商談中に

 

お客さんの家にて商談中のことだった。

 

ボクが何回も訪問し、大型受注が決まりそうなお客さんであった。

大きいヘマさえしなければ、ボクだけでも決まるであろう案件だ。

 

しかし、最後の最後になって社長が商談についてくると言い出した。

 

普段は何もしないけど、大きい注文が決まりそうな時だけは重い腰を上げるのである。目的はひとつ「自分の手柄にしたいから」。

 

 

社長だから誰に評価されるわけでもないのに社員の仕事を横取り。

お金が一番大切と思っているのにも関わらず、自分の威厳を守りたいがためにお金を稼いでくる社員の邪魔をする。

そして邪魔をしていることに一向に気が付かない。この社長の特徴だった。

 

自分が売っても給料が上がるわけでもないから、ボクはいつも思うままさせてやるのである。

逆らうと給料を露骨に下げられるので、誰も何も言えない。

 

 

そんな社長とボクが並んで、すっごく高そうな机の前で座って話をしていた。

ヤクザの応接室にあるような綺麗な木目の形がイビツな机である。

 

商談も佳境になった時、社長が机についた汚れを気にしだした。

「ここ、汚れてますまぁ」

放っておけばいいのに、余計なことを言いだした。突拍子もないことを言いだすのは非常に危険なサインである。

 

「そうなんです。実家から引き継いだ机なんですけどね。良い木を使ってるみたいで」

たしかにすごく高級で何百万としそうな机である。

 

するとじーっとその机を見ていた社長が突然、信じられない行動に出た。

「こんな汚れはこうやったら取れまんのや」

おもむろに自分の袖に「ペッ」と大量の唾をつけ、その机の汚れている部分をゴシゴシと拭きだした。

 

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無言で懸命に拭き拭きする社長、唖然とするボクとお客さん。

肝心の汚れは全く取れていない。ジジイの汚い唾が机に拡がっただけである。

 

気まずい雰囲気の中、社長が言った。

「な、取れまっしゃろ!?」

イヤ、全然取れてねーんですけど。というか唾の臭いが漂ってきて、大変気持ちが悪い。

 

「ははは…ははははは……」

苦笑いするお客さん。ひきつった笑顔を見せるボク。

「じゃあ、また考えときます……」

ほとんど決まりそうだったのに、その日は帰らされた。

 

帰りのクルマの中、なぜか手ごたえを感じたらしい社長は終始機嫌がよかった。

 

次の日、そのお客さんから断りの電話が入るということも知らず、ホクホクしていた社長の顔は今でも忘れられない。